今回は平行チャネルを引くコツと失敗しないための注意点を説明します。チャネルラインはチャート分析の基本中の基本で、初心者が正しく学べば、
- 環境認識
- エントリー戦略
- 決済戦略
これらが劇的に向上します。
前に水平線の引き方を解説しましたが、水平線と比べると斜めの線は引き方には個性が出やすく再現性が比較的低いので、まだ見ていない方はぜひ水平線の引き方の動画・記事からチェックしてください。
これから平行チャネルを引く5つのメリットと7つの引き方のコツ・引くときの注意点を解説します。
⏬こちらの動画でも合わせて学べます⏬
平行チャネルを引く5つのメリット

平行チャネルを引く最大の目的は、多くの市場参加者に意識される価格帯を見つけ、環境認識をすることです。環境認識とはトレードの土台作り。「平行チャネルを引くこと=トレードの土台作り」だと思ってください。
環境認識をすると5つのメリットがあります。
- 同じ時間軸で売買するトレーダーたちによって上下どちらにトレンドが形成されているのか判断ができる
- 今は意識される価格帯の中でも安いのか高いのか判断ができる
- 今のボラティリティはどれくらいなのか判断ができる
- そのトレンドはいつまで続くのかという基準を作ることができる
- 適切なリスクリワード戦略を取ることができる
この5つが大きなメリットですね。メリットについて詳しく解説します。
環境認識によるメリット① 同じ時間軸で売買するトレーダーたちによって上下どちらにトレンドが形成されているのか判断ができる
平行チャネルを引くと、同じ時間軸で売買するトレーダーたちによって現在、どんなトレンドが形成されているかが分かります。
平行チャネルを引いてみて、右肩上がりのトレンドが形成されていると判断ができた場合、この時間軸では上昇トレンドが発生しているので「押し目買いや順張りロングを狙っていこう」と判断ができるわけですね。その判断ができれば、買いのみに狙いを絞っていくことが可能になります。
初心者の頃は上下どちらも取ろうとして、チャートの値動き全てが機会損失に感じてしまうことがあります。そうすると、焦りや不安、興奮によって無駄なエントリーが増え、戦略の精度が非常に下がる。結果、資産が劇的に減っていくのはよくある話です。
平行チャネルを引き、トレンドを判断することは自分の狙いを定めるために非常に重要です。
環境認識によるメリット② 今、意識される価格帯の中でも安いのか高いのか判断ができる
相場格言で「安く買って高く売る」という言葉があります。これは原理原則的な考え方ですが、安いところで買って高いところで売れば儲かるのは当然ですよね。
そして平行チャネルを使うと、環境認識ができる、つまり今、意識される価格帯の中でも安いのか高いのかの判断が可能になります。
具体的には平行チャネルを引き、上限と下限の中央値であるセンターラインを表示させることによって、センターラインよりも下は安い価格帯、センターラインよりも上は高い価格帯と判断できるわけです。

センターラインより下では積極的に買いを狙い、センターラインよりも上では高い価格帯なのでリスクリワード戦略を十分に注意する、深追いはしないなどの判断ができるようになります。
よく「絶好のポイントまで引きつけて待つ」という話がありますが、このセンターラインよりも下までは引きつけて待つなど、平行チャネルを引くことで「安く買って高く売る」ことができるようになります。
環境認識によるメリット③ 今意識されているボラティリティはどれくらいなのか判断ができる
ボラティリティとは、値動きの激しさ、変動幅のことです。
これからお伝えする平行チャネルを引くコツに準じて平行チャネルを引いた結果、広い幅の平行チャネルになったら、今狙っている時間軸で値動きが大きいとボラティリティが高いという判断ができます。そうなったら、1回のトレードで大きめの幅の利益を狙いに行けるということですね。
逆に平行チャネルを適切に引いた結果、狭い幅の平行チャネルになってしまったら、小さな幅しか取れないので、こじんまりしたトレードが増えることになります。
ボラティリティの大きさによって、戦略を変えることができるので今どれくらいのボラティリティなのかというのは判断する上で、平行チャネルを引くことは非常に重要です。
環境認識によるメリット④ そのトレンドはいつまで続くのかの判断ができる
FXは上下ともにロングもショートも狙えるので、トレンドに逆らわないエントリーだけを狙い利益を狙っていけます。つまり上昇トレンドの間はロングを狙い、下降トレンドに変わったらショートを狙わないといけません。トレーダーには迅速な判断力が必要です。平行チャネルはトレンドがいつまで続くのかの判断材料になります。
平行チャネルの下限は、上昇トレンドが続くかどうかの基準として使えます。例えば平行チャネルの下限を明確に下抜けしてしまいサポレジ転換してしまったら、下降トレンドに変わった可能性が高いと判断ができます。
その際はいったんロングの目線を解除し、売りに転じる準備をする必要があります。つまり下降トレンドの角度を探して、また新たな平行チャネルを引く必要があるということですね。
平行チャネルを引くと、そのトレンドはこの線まで続く、この線をはみ出たらトレンドが終わるかもという明快な基準を作ることができます。すると上下ともに狙いやすくなり、ひたすら一方向にポジションを取るような思い込みの偏りがなくなります。
環境認識によるメリット⑤ 適切なリスクリワード戦略の取り方が判断できる
自分の損切り幅に対して、どれぐらいの幅の利益を狙いに行くかというリスクリワード戦略。どのような戦略を取るかは人によりますが、欲張り過ぎに注意です。
平行チャネルを引いておくと、現在狙っている時間軸では平行チャネルの中の範囲で値動きが推移しているということが分かります。なので「前回の高値に収まるようにしようかな」「利確幅はここにしようかな」と判断することができ、欲張りすぎず、やりすぎずにすみます。
また利確幅だけではなく損切り幅も適切に判断できます。「明快なこの範囲で推移しているという基準があるのだから、もうちょっと上で良いのではないか」などと損失幅の設定もしやすくなります。適切なリスクリワード戦略が取れるようになるのは大きなメリットですね。
平行チャネルを引き、相場の環境を把握するメリットをしっかり把握しよう!
多くの市場参加者に意識されやすい平行チャネルを引くコツ

多くの市場参加者に意識されやすい平行チャネルを引くコツは以下の通りです。
- トレンドの高値・安値を最低3点は意識する
- サポレジ転換を意識する
- ヒゲにとらわれすぎない
- センターラインも意識する
- オーバーシュートや窓を無視する判断も時には必要
- 200SMA(200期間単純移動平均線)を補助として使う
- たくさん経験・検証する
詳しく説明します。
平行チャネルを引くコツ① トレンドの高値・安値を最低3点意識する
上のチャートを見てください。トレンドの高値と安値を見ています。急上昇によって反落した左上の丸をまず見てください。「こんなに強く上がっていたのに落ちていったのだからここには何かある」と考えます。
そして、その後ある程度落ちていくと反発上昇した点(下限のライン上の二つの丸)があります。この2点を結び、この天井にまずは上限をくっつけてみます。このように、トレンドの高値と安値の3点を意識して引いてみましょう。
平行チャネルを引くコツ② サポレジ転換を意識する

サポレジ転換とは「サポートだった部分が下抜けすることで、レジスタンスに変わる」「レジスタンスだった部分が上に突破されることでサポートに変わる」という相場の原理原則です。このサポレジ転換も意識して探してみてください。
平行チャネルを引くコツ③ ヒゲにとらわれすぎない
私の場合ですが、ヒゲは無視することもあるし、終値に引くこともあるし、ヒゲ先にラインを引くこともあります。最重要視しているのはサポレジ転換なので、サポレジが美しく機能していれば、そこがヒゲ先だろうが終わりだろうがどちらでもいいということですね。
サポレジを重視した結果ヒゲを無視することになるのは構わないと考えており、ヒゲにとらわれないのも重要かと思います。
平行チャネルを引くコツ④ センターラインも意識する
先ほど平行チャネルを引いてセンターラインよりも下は安い価格帯、センターラインよりも上は高い価格帯というように判断すると説明しました。それを逆説的に考えると、センターラインは売りと買いの均衡点と考えることができます。
売り買いの均衡点はいつも注文が多く入るので、もみ合いになりやすく、反発点になりがちですね。センターラインでよく反応している平行チャネルは、非常に優秀なチャネルだと判断できます。平行チャネルが意識されてるかどうかを確認するのは重要だと思います。
でも、センターラインに完璧を求め過ぎると一生チャネルは完成しません。あくまでセンターライン「も」意識する程度の話ですが、重要なコツの1つです。
平行チャネルを引くコツ⑤ オーバーシュートや窓を無視する判断も時には必要

平行チャネルを引く目的は、多くの市場参加者に認識されやすい価格帯を見つけることです。窓はあまり市場参加者がいない場所です。窓に限らずフラッシュクラッシュのヒゲ先、長いヒゲが伸びているところなどは市場参加者が多くないので、無視する判断も時にはOKなのかなと思います。
どのような時に無視するかというと「この窓があるせいでうまく平行チャネルが引けない」「この長すぎるヒゲがあるせいで平行チャネルがうまく引けない」時です。
あまり市場参加者に意識されてないのだから、無視するという判断も時には必要だということですね。これに関しては完璧な定義はありません。たくさん過去検証する、たくさん実戦経験するしかないです。
平行チャネルを引くコツ⑥ 200SMA(200期間単純移動平均線)を補助として使う

私は200SMA(期間200の単純移動平均線)を補助として使います。あくまで補助としてですが、200SMAが平行チャネルから離れすぎている場合や200SMAと角度が違いすぎる場合は、その平行チャネルの精度は怪しくなってきます。200SMAと同じような角度で推移している、200SMAが平行チャネルに収まっている時はまだ機能しそうだと判断することができます。
逆に200SMAが明らかに違う方向を向いている状態の平行チャネルを引いてしまったら、賞味期限が来てしまうのではないかと考えるということですね。賞味期限の判断材料としては使えます。
これだけを基準に凝り固まってラインを引いたりはしないのですが、あくまで今まで紹介したコツを踏まえた上でそれでも不安であれば200SMAを見てくださいということです。
多くの市場参加者に意識される価格帯を判断するために、多くの市場参加者が見ている移動平均線を表示して補助で使うイメージです。
平行チャネルを引くコツ⑦ たくさん経験・検証する

たくさん経験・検証するのが最も重要なポイントになります。斜めの線は水平線よりも個性が出やすいです。どこを起点とするのか、どういったところをサポレジと判断するのかというのは本当に人によって差が出てきます。
私の引き方をそのまま真似したとしても、結果的に全然違う線になることもあり、それによってエントリーポイントが変わるケースも十分にあります。
自分で検証・経験する中で、こういうふう引いたら効いたとか、こう引いたら平行チャネルが崩れやすいとか、トレンドが変わりやすいなどの気づきを自分なりにメモしていき、自分なりの引き方で勝てる手法を構築していくのが良いと思います。
平行チャネルは個人差が出るので自分なりのルールの構築をちゃんと過去検証し、考えていくのが一番大事なポイントです。
平行チャネルは実践あるのみ!どんどんラインを引く練習をしよう!
おわりに 時間軸の違いに注意

平行チャネルは、環境認識をする上でサポレジ転換を駆使すると多彩な戦略を取ることができるので非常に有効なツールだと思っています。
ちなみにですが、私はスキャルピングをしないので平行チャネルを1時間足で引くことを想定していません。多くの市場参加者に意識される価格帯を判断するためにやっているので、ローソク1本あたりの情報量が少ない分足単位で引いた線は簡単に機能しなくなる可能性が高いからです。
時間軸の違いには注意してください。普段私は日足・週足で長期のチャネルを作り、4時間足・8時間足で中期のチャネルを作り、1時間足・2時間足で短期のチャネルを作っています。これら長期・中期・短期のそれぞれの活かし方も相場の流れに逆らわないためには重要です。
水平線も平行チャネルも「使い方」だけでなく「使い時」も重要なので、「環境認識とダウ理論」の動画、記事もぜひご覧になってください。
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